数日、たったの数日だ。数日ぶりに再会した幼なじみ、視界に入った瞬間コレットは泣きそうになった。レネゲードの拠点で、いささか慌ただしい再会になったのは救いであった。強く気を持っていたから涙は落とさずに済んだ。


安堵に膝からへたりこんだときには、砂漠の上だった。コレットは構わなくていいと言ったのだがクラトスとリフィルが許さず、その日はその近くの岩陰で休むことになった。




日陰で汗をぬぐい、クラトスに渡された水を飲んでいると向こうでは、ロイドとジーニアスがリフィルに頭をグーで殴られている。コレットは思わず吹き出した。見慣れた光景なのに、村を出てからなんだかひどく時間の経ったような気がするせいで、懐かしさに胸が詰まった。


(…ロイド、追いかけてきてくれた)


本当は、人としての死に向かいゆく自分の旅、ロイドにだけは同行してほしくなかった。


生きながら人でなくなってゆく過程を、幼いころから祖母に聞かされてかたのだ、そんな旅路にロイドが絶望するのは見たくなかった。だから村に残そうと手軽を置いて出てきたと、いうのに、追いかけてきてくれた、その事実に足が震えるほど、喜んでいる自分がいるのだから勝手だ、とコレットは思う。


自分は勝手だ、きっと心のどこかでロイドとの再会を望んでいた。コレットは苦笑する。すると振り向いたロイドが、お説教は終わったのか手を振りながら、こちらにやってくる。コレットは立ち上がって砂を払った。




(ロイドごめんね、わたし、わたしとてもあなたに会いたかった)