まっすぐ直球ストレート!
 現代パラレルの上ユーリが保健医、カロルが高校生というわけのわからない設定です。ご注意ください。



















「せんせーみてると心臓がへんな音がするんだこれはもうきっと恋の病だよねしかも末期だよそうゆうわけで付き合ってよ、ユーリ先生」
「ああはいはいさっさと教室に帰れ」
「えええひどい一世一代の告白を!」


すんごい勇気出したのに!大げさに肩を落としてソファにもたれこむカロル・カペル、性別、男。(つかおまえここは一応保健室イコール公共の場なんだがわかってるかこのやろう)かあいらしい女子高生が頬染めて告白ってんならそりゃ男としてぐっとくるものもあるが、なにが悲しくて健全な男子高校生にそんな台詞を吐かれなければならないのか。ああ昨今の保健医はこんな重度の頭の治療も請け負わないといけなくなったのか、ゆとり教育って恐ろしい。


はやく出てかねえかなあと思いながらコーヒーを机に置いて、パソコンに向き直る。ああ、めんどくせえ。保健室だよりなんて読んでいるような奇特な生徒が何人いるのか知りたいもんだ、そろそろ廃止にできないだろうか。


眼鏡をかければ頭のうしろがずきりとする。昨日は飲みすぎた。(フレンのざるめ、)キーボードが妙に重い。ちがった。重かったのは俺の肩だった。いつのまにか巻きついていた健やかな腕。


「・・・・・・カペルくんねえさすがに先生困るんですけど」
「もーカペルくんとか呼ばないでよカロルでいいってば」
「つうかおまえさっさと帰れって、さっきから何度も言ってるだろが、」
「やーだー」


ぎゅうう。なんだおまえ一見細身のくせにこの力はなんなんだ愛の力か俺愛の力で殺されるのか死因が愛とか嫌だぞ俺!


「ちょ、カ、ロ・・ル、くるしい、苦しい!」
「んあ、あ、ごめんね?」


するり、ようやく解放されて気道が妙な音を立てた。数度むせてからチェアを回してにらんだ。


「お、ま、え、は!殺す気か!」
「だってユーリ先生かまってくんないし、抱きついたらすごいいい匂いしたからつい。ごめんごめん」
「っ!っに言ってんだばかやろう、そういうのはだな、もっとこう可愛い女の子に、だな、」
「女の子より先生が可愛いんだからしょうがないじゃない」


むかつくくらいけろりとカロルはいう。(おまえは、もうちょっと恥じらいとか、そういうものを持て!)それからすいと画面をのぞきこんで首をかしげた。


「あたらしい保健室だより?」
「そうだつまり俺はいそがしい、だからおまえはさっさと教室に」
「ああやっぱり先生がつくってるんだ?いつも読んでるよ、先月の風邪のエピソードおもしろかった」
「・・・・え、」
「あれ、先生が風邪引いたときに玉子酒もってきたの、シーフォ先生でしょ?シーフォ先生、料理下手なんだ?」


いやたしかにそうだけどおまえなんでそんなことしっているんだ、スペースが余ったから片隅に小さく書いただけのこと。


「・・・なんで、そんなもん真面目に読んでんだ、」
「だって先生のこと好きだから」


さらりと言われたことば、背をつたう冷や汗。(やばい、俺は一直線直球ストレートに弱い男だ、)なんとかかわさなくては、とりあえず顔を背ける。けれどすぐにあごをつかまれて向き直させられた。


「ユーリ先生、照れた?」
「・・・・・照れて、ない」
「そっか、顔は赤いけど照れてないんだね。あーやっぱりせんせーはかわいいなあ」
「っうるさいとっとと帰れ!」






(保健室は病人の居場所です、恋の病は病気に含まれません!)









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だって高校生カロルくんなんだからきっとこれくらい漢前だよ、と、夢を抱いてみる
カロルはロイドくん並に男らしいとおもうのですが、どうでしょうか